2012年2月21日火曜日

新 聞

東西南北から寄せ集められた情報はN(ノース)、E(イースト)、W(ウエスト)、S(サウス)、それぞれの頭文字が組み合わさってNEWS(ニュース)となった。News Paper(新聞)は生活の情報源、世界中でこんなに便利なものはない。
 
先日、仕事場に匿名の電話があった。声の様子から初老の日本人女性らしい。「最近の若い方たちは漢字の意味を履き違えています。どうしてこんなに誤字脱字が多いのですか?  これ以上美しい日本語を乱さないで下さい」厳しいお叱りの電話である。どうやら僕を『羅府新報』の編集者と間違えているらしい。
 
本紙の肩を持つ訳ではないが、誤植は避けられないのが現状である。さりとて一同結集して誤植を無くすための努力は急務である。大新聞社にミス・プリントが皆無な理由は、それだけ設備(お金)も人手も掛けているからである。また、『羅府新報』には専門の校閲係がいない。いたとしても素人だ。
 
大手新聞社では記者が記事を書き上げると、デスクを始め何人ものスタッフが記事に目を通す。訓練された校正係と職人芸並みの校閲さんが目を光らせてくれる。文章の、て・に・を・はや熟語の用い方などは言うに及ばず、時代考証から事実確認、数値、引用、資料提供のエキスパートだ。      

ニューヨーク・タイムズ紙の名記者であったジェイムズ・レストン氏は、19世紀は小説家の時代であったが、20世紀はジャーナリストの時代である」ことを強調していた。A・ソルジェニーツィン氏が21世紀論の中で提言していることは、真の進歩へ不可欠なことは「自制」であると言う。精神的な満足は何かを手に入れようとする欲望ではなくして、それを拒否することによってのみ得られると言うのである。

自分の欲求をしっかりと抑制して、豊かな倫理観念に従う術を身に付けなければ、人類は再びファシズムやミリタリズムに翻弄されてしまう。21世紀は常に支配され、抑圧され、貧困に喘ぎ、殺される者の立場に立っての誠意ある報道を更に強く望みたい。

2月21日は『日刊新聞創刊の日』。

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