2012年2月10日金曜日

デビュー

僕が詩人としてデビューしたのは、確か20歳のころだったと記憶している。文芸雑誌に僕の書いた詩が掲載されたのである。

その前に、大阪文学学校で詩と小説を学んだ。灰谷健次郎さんのクラスだった。そのクラスで俳人の近松寿子さんと知り合えた。僕が俳句に興味を持つきっかけとなった。

鮨屋の2階の座敷で、近松さんと俳句仲間と一緒に連句を詠んだ。その中に作家の川崎彰彦さんがおられた。五木寛之と早稲田の露文科で同期、後輩に詩人で作家の三木卓がいた。

酒を飲み、鮨をつまんで連句を詠む。お開きが近づくころには全員へべれけになって、三十六歌仙に仕上げる。近松さんの著書に僕の俳句が掲載された。俳句デビューである。往時の僕の俳号は「蓮空」、今は「賛美」だ。近松さんの師匠は胡蝶俳諧の生みの親、彼の有名な林 富士馬先生だ。

同人雑誌『推敲』に書いた小説「N科のエチュード」が、『文学界』その他の同人雑誌評で取り上げられて、『芥川・直木賞』にノミネートされた。5度目に書いた小説で作家デビュー。今でも『文藝春秋』から送られて来た葉書を大切にしまってある。

最初アメリカに来たのは小説のネタ探し、1年で帰るつもりでいた。僕は西海岸が大層気に入った。そんなある日、鶴田さんと知り合った。往時の鶴田さんはリムジンのドライバー、今はラスベガス教会の牧師。

鶴田さんは僕を教会に連れて行った。やがて僕はイースターに受洗。クリスチャンとしてデビューした。鶴田先生と会わなければ、僕はどういう人生を歩んでいただろう。

1 件のコメント:

  1. 写真は35年間愛用し続けたモンブランの万年筆

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