2011年9月7日水曜日

Honesty

僕が20歳代半ばのころ、神経を病んで入院していたことがある。その折に慰められたのが、ビリー・ジョエルの音楽だった。

カセット・テープのジャケットの写真が、動画と同じものだ。グレーの上着をまとい、黒いネクタイを緩ませて、下はジーンズ姿である。

往時の僕は、ビリー・ジョエルと同じ格好をして、まれに病院から外出をする。何の当てもなしに繁華街をぶらついた。さしずめ書店には頻繁に足を運んだものだ。

今、僕のクロゼットで、あのジャケットが深い眠りについている。もう、30年以上着用していない。

あの頃の僕は、煩悶の日々に明け暮れていた。睡眠薬を大量に飲んで、自殺を図った。16歳の時に、うつ病と診断されて以来、抗うつ剤を服用し続けていた。

僕は誠実(Honesty)を追い求めて裏切られ、人間不信に陥ったのである。



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