2014年9月23日火曜日

嗚呼、アメリカ




今、超大国アメリカが、深刻な窮地に陥っている。その窮境とは肥満である。先進国で、国民の50パーセント以上が肥満体であるのはアメリカだけである。アメリカの巨漢や大女の肥満度といったら、とにかく尋常ではない。子供たちには生活習慣病が蔓延していて、一頃コミカルに映っていた肥満児たちの表情が、最近ではアメリカの悲劇として認識し始められている。

スーパーマーケットへ行くと、子供連れの主婦がカートに一週間分の食料を買い付けて、キャッシャーで精算している光景に出くわすことがある。カートにどっさりと積み込まれた食料品の数々を見ていると、これでは肥満を誘発させて健康を害しても当然である。

ごく平均的なアメリカ人は、冷凍食品や缶詰だけで夕食を済ませることが日常茶飯事である。そして週末にはバーベキューをむさぼるのである。また、食後には毎回デザートを食べる習慣があり、その量といえば平均的日本人の5倍は軽くある。

アメリカのケーキは砂糖の塊を食べているように、強烈に甘い。フランスや日本の洋菓子のように、洗練された旨味や風味がまったく感じられない。それから食事の最初から最後まで、清涼飲料水や、人工甘味料入りのジュースを大きなカップで何杯も飲み干す。

ランチは究極のジャンク・フードであると、近年になって騒ぎ始められているファーストフードが主流である。ハンバーガー、フレンチフライ、フライドチキン、ホットドッグ、ピザ、タコスにブリトー。そして炭酸ソーダーは飲み放題だ。これらのローテーションをランチで10年、20年と食べ続けていると、どのような末路に辿り着くかは、もはや説明には及ばないだろう。おまけに車社会のアメリカでは、日頃歩くことをあまりしないので、自ずと運動不足に陥ってしまう。

米国民に、いや世界中に、生活習慣における悪循環を蔓延させてしまったのが、アメリカのほんの一握りの資本家と政治家たちである。


 

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