2011年11月18日金曜日

ラブレター

11月23日は勤労感謝の日。語呂を合わせて『いい兄さんの日』、『いい文(ふみ)の日』でもある。

E-メールの普及によって、若い世代が文章を書くようになった。文といっても喋る言葉そのままである。先般、知り合ったばかりの30歳半ばの男性にE-メールを送った。宛名の敬称に様を添えたら、今度から「さん」にしてくださいと言われた。

メールは手紙だという意識が、いつも纏わりついているせいか、無意識のうちについ身構えてしまう。特に親しい間柄でない者に対しては尚更だ。

50歳位を境にしてと言えば良いのだろうか、人によっても千差万別であるが、とにかく若い人たちは、メールをコミュニケーションの主流として巧みに活用している。

だが若い世代からメールを貰うと、敬語の省略化と狎昵(こうじつ)的な文体に、少しばかり面食らう事がある。だからといって、メールを差し出した若い人に会ってみると、口数の少ない、おとなしい青年であることが多い。

恋文、いやラブレターだけは熱い思いを込めて、便箋に切々と書くほうが味わい深い。何も長く書く必要はない、明瞭簡潔、しかも燃えるような情愛がこもったラブレターを。

それでは、ロシアのシェークスピアともゲーテとも呼ばれているプーシキンに、ラブレターの書き方を伝授してもらおう。

オネーギン様 もし出会わなければ/あなたを知らずに苦悩もなかったはず/でもあなたと出会う運命だったのです/はじめてあった瞬間/すぐ分かりました/ああ 運命の人が 現われたのねと/どうか 疑念から救い出してください/運命に身を委ねます/秘密を明かした手紙を読み返すのが怖い/あなたの心を信じますが/恥と恐怖で消え入りそうです タチヤーナ (『オネーギン』より)

晩秋の夜長、1123(いい文)を綴る季節の到来である













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