2014年7月24日木曜日

風 船

いつも静かに
南国に浮かんでいた
大きな風船

風船は月のように大きかった
谷川のように優しかった
そして
岩のように頑なであった

ある時
風船はそよ風にいざなわれて
心をひらいた
すると
愛が語りかけてきた

風船は益々大きくなって
空を見上げたら
愛が微笑んでいた

大きな風船は
静かに
南国の空に浮かんでいる

毎朝
愛の言葉を口ずさみ
祈っていると

風船はどんどん大きくなっていき
ついに
神様を信じた

やがて
大きな風船は
小さくしぼんでしまった

悲しいけれど
永遠の命を授かったのです
風船は天の国で
再び大きく 大きく咲き誇るのです

静叔母さんの悲報に寄せて 鎮魂歌





一句   叔母逝きし 忘れた帽子 巴旦杏(はたんきょう)

解説…… 叔母さんが亡くなった。アメリカに来た折に、叔母が忘れていった帽子の傍に、アーモンド(巴旦杏)の入った缶が置いてあった。
アーモンドと詠むよりも、巴旦杏と詠む方が、句が引き立ちます。


200688

                      

3 件のコメント:

  1. 風船 良い詩ですね!

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  2. イイタ クナイ2014/08/02 20:44:00

    風船とか 南国とか書かれると
    先の大戦で亡くなられた方のイメージが
    考え過ぎですねw

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  3. 考えすぎじゃのう

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