2014年9月24日水曜日

幸いなこと



  巷では、気の強さと厚かましさだけで、世に出ている人間がわんさといます。その道に精通していて、かつ実力が伴い、信頼の置ける人物であれば申し分ないのですが、そのほとんどがお為ごかしで、名誉心の強い人間ばかりです。

このような人間は、こころの病とは無縁です。急性うつ病にでもなるとしたら、自分の欲望が満たされないで、無一文になった時ぐらいでしょう。

その最たる者が政治家だと思います。政治家は世のため人のために、自分自身を犠牲にする覚悟で臨まなければなりません。なかには純粋で奇特な政治家も存在していることでしょうが、ほとんどの政治家は名誉欲と私腹を肥やすことに躍起です。

一体、政治家に何が期待できると言うのでしょうか。大政治家は良心の呵責を上手に葬りますが、こころ病む者は、小さな過失でさえ悩み続けます。それだけ正直であるということです。小さなことに忠実であることは、幸いなことだと思います。


2014年9月23日火曜日

嗚呼、アメリカ




今、超大国アメリカが、深刻な窮地に陥っている。その窮境とは肥満である。先進国で、国民の50パーセント以上が肥満体であるのはアメリカだけである。アメリカの巨漢や大女の肥満度といったら、とにかく尋常ではない。子供たちには生活習慣病が蔓延していて、一頃コミカルに映っていた肥満児たちの表情が、最近ではアメリカの悲劇として認識し始められている。

スーパーマーケットへ行くと、子供連れの主婦がカートに一週間分の食料を買い付けて、キャッシャーで精算している光景に出くわすことがある。カートにどっさりと積み込まれた食料品の数々を見ていると、これでは肥満を誘発させて健康を害しても当然である。

ごく平均的なアメリカ人は、冷凍食品や缶詰だけで夕食を済ませることが日常茶飯事である。そして週末にはバーベキューをむさぼるのである。また、食後には毎回デザートを食べる習慣があり、その量といえば平均的日本人の5倍は軽くある。

アメリカのケーキは砂糖の塊を食べているように、強烈に甘い。フランスや日本の洋菓子のように、洗練された旨味や風味がまったく感じられない。それから食事の最初から最後まで、清涼飲料水や、人工甘味料入りのジュースを大きなカップで何杯も飲み干す。

ランチは究極のジャンク・フードであると、近年になって騒ぎ始められているファーストフードが主流である。ハンバーガー、フレンチフライ、フライドチキン、ホットドッグ、ピザ、タコスにブリトー。そして炭酸ソーダーは飲み放題だ。これらのローテーションをランチで10年、20年と食べ続けていると、どのような末路に辿り着くかは、もはや説明には及ばないだろう。おまけに車社会のアメリカでは、日頃歩くことをあまりしないので、自ずと運動不足に陥ってしまう。

米国民に、いや世界中に、生活習慣における悪循環を蔓延させてしまったのが、アメリカのほんの一握りの資本家と政治家たちである。