2014年10月28日火曜日

てんかん


丘の上の収容所には
ブルースを感じさせる
不協和音の少年がいた

迂遠冗長の少年は
塗炭の苦しみにあえぎながら
破壊と創造を繰り返すのは
もう 疲れた言ったために
保護衣を着せられて
独房に放り込まれた

魔界に魅入られたかのように
絶叫する少年を
看護人が鉄格子の間から
面白半分に竹槍で突くと
一瞬蛮声を上げ
満身が硬直したかと思うと
全身をガクンガクン震わせる痙攣が
数十秒つづいた
やがて少年は深い眠りについた

丘の上には
ブルースを感じさせる
不協和音の少年がいた

まわりくどいが
几帳面で筋骨型の
動きが遅く鈍い少年だった
些細なことで苛立ち
激怒する少年だった


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