2015年12月15日火曜日

ビバリーヒルズ 

本来、新鮮な海の幸と鮨は日本の方がウマイ。バブル期の好景気のころは珍しさも手伝って、西海岸の鮨は廉価で美味しいと評判を呼んでいだ。

現在、ビバリーヒルズあたりの高級スシバーに赴くと、それなりに飲み食いして、二人で1,250ドルも支払ったという知人がいた。飲食店に限らず、ビバリーヒルズ界隈にはセレブ御用達の店が多い。

1980年代初頭、僕はビバリーヒルズのお屋敷に居候していた。昼間は華僑の御曹司と組んで、ダウンタウンLAのカリフォルニア・マートで、婦人衣料と雑貨の輸入卸販売に携わっていた。

ビバリーヒルズの屋敷には、午後五時までには帰宅しなければならなかった。毎晩、ディナーの支度の助手を務めていたからだ。また、週末にはパーティーで大忙しとなる。

ミセスから「今度の昼食会には、天ぷらを作ってもらいたいわ」と、僕に要請があった。

土曜日の午後、プールサイドで昼食会は始まった。来賓は、元最高裁判事のチーャチ夫妻、女優エリザベス・テーラーと彼女のボーイフレンド、映画プロデューサーのペン夫妻。

屋敷のオーナーであるフィリップ・オニールは、元ハリウッド映画の制作に従事していた。

僕はエビとカキ揚げの天ぷらをメインに、幾つかの野菜も順番に揚げていった。天つゆの他に、塩に抹茶を混ぜた物を用意した。意外にも抹茶塩が好評であった。また、椎茸(しいたけ)の天ぷらも好評を博した。

僕は学生時代に、大衆食堂の調理場でアルバイトの経験があるので、天ぷらを中心に揚げ物が得意である。


ある昼下がり、一人で屋敷にいるときに、誤ってアラームを鳴らしてしまった。どうにかならないのかと慌てている際に、一分も経たないうちに警察官が現れた。ドアを開けるとパトロールカーが四台も集結していた。その速さに、僕は舌を巻いたのである。

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