2014年6月9日月曜日

待つ男

語り合ってくれない
鋭い彼女のまなざし
聴いてもらえない
哀れみを吐きだすようにして
理解されていない
とうとう女は、家から出ていった

僕は あらゆる色の小さな集合体の中で
それは それは色模様
脳内も まなこも 肉体も
それは それは色模様

僕には色のない色模様に色がある
その色には鮮やかな色が存在していて まったく色彩がない
この世ではおぼつかない色合いが 僕には存在しているみたいだ

ぬるぴっちょょ ぬるぴっちょょ
僕は 匂いの色を
くんたれくんたれ
たらして
舐めて
描きながら
女が帰ってくるのを
ぬるぴっちょょ ぬる ぴっ ちょょ
静かに待っているだけ







0 件のコメント:

コメントを投稿