闇の中で佇む 俺の街で 鳥たちが叫んでいる
俺の眼光は 暗闇の亀裂をかいくぐって
一瞬にして生臭い奇態の臓物へとへばりつく
得体の知れない 刺々しい幾何学模様の大気は
赤黒く 形のない脂肪の匂いを周囲に放っている
鳥よ
俺は居た堪らなくなって 蛮声を張り上げた
俺の叫びは 蜘蛛の巣の夜空にかき消されて
どす黒い星に ぬらぬらりと辱められる
鳥よ
俺は再び声を張り上げた
鳥は枝からヌピヌピ 枝へとヌピヌピ 樹木の狭間を這いつくす
俺の瞳孔(たましい)は何者かによって 閉ざされてしまった
一体 どこに逃げ道があるというのだ
腐乱した黒い鳥を暗闇の中で頬張りながら
この上なく赤く黒い世界に
俺自身が しこたま赤く爛(ただ)れるまで 人間らしく生きていくことはできない
俺を支配している赤黒い怪人よ
願わくは 漆黒の炎を俺によこせ
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