学校にはろくに通わず
神経衰弱に陥り
精神病院にぶち込まれて
荒れ狂う青い春の時代に死を選んだ
文学極道になって
独りで海を渡ったが
父が逝っても 日本に帰る事ができなかった
おれは親不孝者の頭
間もなく八十歳を迎える
まるい小さな母の背中を
久し振りにさすらせてもらった
苦しみに遭わなかったら
おまえもわたしも
イエス様の愛を知ることは無かったね
だから おまえは孝行者さ
この喜びをわたしに伝えてくれて
本当にありがとう
母の慈しみが 春浅し大気にぱっと弾けて瞬(またた)いた
朝な夕なに
ぼくのために祈り続けていてくれる母
声には出なかったけれど
「ありがとう おかあさん」
0 件のコメント:
コメントを投稿