少年の頃
山の麓の草原で
遊びほうけているうちに
買ってもらったばかりの
自慢の靴が脱げてしまった
どこを捜しても見当らない
ぼくはとても悲しくなってきて
やりきれない思いで
遠い遠い道のりを
べそをかきながら帰っていった
戦場で
友を助けようとして
前へ飛び出したら
そこは地雷の海原だった
意識が戻った病院の
小さなベッドの上で
ぼくは自分の両足が
無くなっていることに気がついた
捜すことも
代わりを見つけることも
そして
慰めの言葉さえ見つからなかった
未来を凝視する
夢と希望に満ちた双翼が
ぼくの目の前で
嘲笑いながら
無理やりもぎ取られたのだ
わたしの愛する子よ
さあ 立ち上がりなさい
あなたの両腕で
立ち上がって歩くのです
愛する子よ
わたしはあなたと共にいます
さあ 勇気を出して
現実に耐えるのではなく
有りのままを愛するのです
あなたの生命(いのち)が
たくましく輝く時
人々の心は和むでしょう
あなたの笑顔が
希望に満ち溢れる時
平和の訪れを知らせる白い鳩が
大空を舞うでしょう
あなたの心に
夢を育む
七色の虹がかかる今
もう 後ろを振り返る必要は無い
今日も力強く
大地に腕を突き刺して
歩きつづけるあなたの雄姿は
時を超えた美しい星
見よ
歓喜の調べを奏でて歩く
感性豊かな
ボブの二本の腕を ・・・・・・
あなたは限りなく深く愛されている
プロファイル/ボブ・ウィ-ランド
ベトナム戦争で両足を失う。三年八ヶ月と六日間の歳月をかけて、両腕でアメリカ大陸を横断。2001年の秋、日本テレビ制作の番組『知ってるつもり』で紹介された。
2002年9月の4日、タートルマラソン全国大会出場と、伝道のための講演を各地で行うために来日した。詩/『腕で歩く』は、ボブ・ウイ-ランドさんのビデオ『Mr.Inspiration』に収録されている。
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